直したほうがよい歯並び

 §不正咬合は直さないといけないでしょうか?
 §悪い歯並び(不正咬合)はどんなところがいけないですか?
     (歯並びが悪いことの悪影響)

 §よいかみ合せ(正常咬合)とは・・・(矯正治療の目標)
 §不正咬合の種類
 §不正咬合の原因
 §不正咬合の予防
 §噛合せに不安を感じた場合どこに相談すればよいでしょう?

§不正咬合は直さないといけませんか?


上下の噛合せが正しくない状態を、不正咬合と言います。
現代の日本人は厳しく見れば、ほとんどの人が不正咬合の状態です。
その中にも特にひどい噛合せと、それほどでもないものがあります。
では、直した方がよい歯並び(不正咬合)とはどの様なものでしょうか?
矯正治療が必要かどうかには、特別な基準はありません。
矯正治療の専門医が診て、
  1.その方の歯が本来持っている機能が十分発揮されていない歯並び
  2.成長発育に悪影響を及ぼす歯並び
  3.将来的に(虫歯・歯槽膿漏・外傷などで)歯を失いやすい歯並び
  4.心理的な問題などが心配される歯並び
                  などが矯正治療の適応です。
患者さんの矯正歯科来院のきっかけはいろいろです。
  1.かかりつけの歯科医の勧め
  2.学校検診
  3.友人がはじめたから
  4.自ら気になることがあって
その中でも矯正専門医が見て、下記項目の悪影響のうちいくつかを特に
心配されると判断した場合が、治療の適応といえるでしょう。

§悪い歯並び(不正咬合)はどんなところがいけないのですか?
                 (不正咬合の悪影響)


  1.虫歯になりやすい(十分な歯磨きが出来ないため)
  2.歯槽膿漏になりやすい(十分な歯磨きが出来ないため)
  3.歯がかけたり折れたりしやすい
  4.顎関節症になりやすい 
        → 肩こり腰痛など(顎関節症関連症候群)の原因にも
  5.しっかりと噛めない  
        → たくさん噛んでも食べ物が細かくならない
          → 細かくならないまま飲み込んでしまう
            → 他の消化器官(胃・腸など)へ余分な負担をかける
  6.顎本来の成長発育がスムーズに出来ない
  7.歯の治療が正しく出来ない 
  8.発音に悪影響を及ぼすことがある
  9.顎を動かす筋肉の動きに悪い癖が出ることがある
  10.心理的な悪影響(歯を見せたくない・人前で笑えない・内気な性格に・など)



※歯の役割
   ・食物を噛んで細かくする(咀嚼)
   ・発音に影響
   ・顔の一部として美しさ(審美)に影響

§よいかみ合せ(正常咬合)とは・・・(矯正治療の目標)

かみ合せには基準となるようなものはありません。
人それぞれ、歯の大きさや形も、骨格の大きさや形も違います。
その人の持っている歯でもっとも効率よくモノを噛めれば、
それがその方にとっての正しいかみ合せといえます。

  • 上下の奥歯の関係が、1本の歯に対して2本の歯が歯車が噛み合うように
    きちんと噛み合っている状態。
  • ねじれたり曲がったりしている歯がない。
  • 上下の歯の中心があっている。



§不正咬合の種類


  1. 上顎前突・・・ 上の前歯が下の前歯より前にある状態。
    治療前 治療後

  2. 下顎前突・・・下の前歯が上の前歯より前に出ている状態
    治療前 治療後

  3. 叢生・・・歯が歯列からはみ出している状態
    治療前 治療後

  4. 開咬・・・上下の前歯が開いており、噛み合わない状態
    治療前 治療後

  5. 過蓋咬合・・・上下の前歯のかみ合わせが深すぎる状態
    治療前 治療後

  6. その他

§不正咬合の原因


 1.先天的な原因・・・80%
 2.後天的な原因・・・20%  ・指シャブリや、舌で歯を押す悪い習癖など
                 ・乳歯のひどい虫歯を放置していた
                 ・食生活(極端な偏食など)
                 ・その他
※ 食生活が変わり、硬いものを食べなくなったから、とはよく言われています。
実際に、大きな流れとしては、硬いものをかみ砕く必要がなくなり、その新しい環境に適応しようと、人類の顎が変化しているのでしょう。
このことで、硬いものを食べさせなかったと、自分を責めているお母さんを見かけますが、必ずしもそうではありません。
お子さんの顎の大きさも、歯の大きさも、顔かたちも、身長も、約80%は遺伝子という体の設計図のもとに、生まれつき決まっています。人類の変化はたった一世代では起こりません。不正咬合も80%は生まれつき。おこるべくして起こっています。
※ 指シャブリと不正咬合の関係はよく言われます。確かに不正咬合の原因となることもありますが、では指シャブリをしている子供が全員不正咬合になるかというと、そうではありません。多くの指シャブリをしている子供は、不正咬合になっておりません。後天的な因子は、遺伝子という体の設計図を変えるほどの影響は、なかなかおよぼせるものではありません。6歳を越えてなお続いている場合にのみ、ストレスにならないようにゆっくりとやめさせるのがよろしいかと思います。

§不正咬合の予防


基本的には、先天的な原因でおこる不正咬合は予防できません。しかしながら、その判断は専門医でも区別のつきにくいところです。
ここではわずか20%程ですが、後天的な原因でおこる不正咬合の予防に関して書いておきます。

・乳歯の虫歯はなるべく早くなおす・・・乳歯の虫歯予防全般
・歯ブラシの習慣
・定期的な歯科検診
・よく顎を使うような工夫全般
   食事の内容を工夫・・・食事の内容をなんでも大きく切るようにする
   食事の時はなにか別のことをしながら(テレビを見ながらなど)というのはなるべく避ける
   飲み物で流し込むような食事のスタイルは避ける(飲み物は食後に)
・指しゃぶりなどの悪習癖は、専門医と相談しながらやめさせる必要のあるものは対処していく。

不正咬合の予防は、噛合せにだけではなく、どれも歯や体の健康にとってよい習慣ばかりです。あまり神経質にならない程度に心がけられると、よい結果が得られると思います。    

§噛合せに不安を感じた場合どこに相談すればよいでしょう?


ベストな方法は、直接矯正治療の専門医にみてもらうのが良いでしょう。
それが無理な場合
   1.かかりつけの歯科医師
   2.保健所(歯科衛生士さんが相談に乗ってくれます)
   3.歯科大学付属病院
           などで相談されるのがいいと思います。

実際に治療を行う場合は、矯正専門医のところで行うのが一番だと思います。
歯科にもいろいろな専門分野があります。
現在大きく分けて
    一般歯科…歯科全般。(虫歯をなおす。歯槽膿漏の治療。入れ歯をつくる。歯を抜く。etc.)
    小児歯科…子供の歯全般トラブルをみる
    矯正歯科…歯並びの不正を直す。
    口腔外科…歯を抜いたり、歯が原因したできものをとる手術をしたりする。
 に分かれています。

このうち矯正歯科は同じ歯を扱う仕事ですが、他の分野とはかなり違います。実際の治療をするには、歯科大学を卒業してから専門の勉強を約10年近くする必要があります。同じ歯を扱う分野ですが、他の歯科分野と比べると、医科で言えば眼科と産婦人科ぐらい違う分野になります。    


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